私の研究について

医学部編入試験では自身のこれまでの研究の成果を聞かれることが多々あると思いますのでちなみに私がどのような研究をしていたのかここで紹介したいと思います。

まだ4年生で研究室がコロコロ変わるのでテーマが3つあります。

まず一つ目は”マイクロキメリズム”です

マイクロキメリズムという分野は非常に新しい分野と言えます。

要は小さなキメラ状態ということですが、キメラというのは生物学では異なるゲノムを持った細胞が同一の個体の中に存在していることを言います。ここで小さなと言っているのはその細胞数が少ないことを表しています。

 

例えば、女性が妊娠すると胎児と母親は胎盤で繋がれます。

その胎盤を通じて酸素や栄養だけでなく細胞の交換が起こっていることが報告されています。つまり、我々の体内には自分自身の細胞だけでなく母親の細胞も存在していることがわかり、その細胞が時に免疫疾患を引き起こしたり、時に傷の修復に一役買っている可能性も示唆されています。

私の研究はマウスを使ってどのような細胞が移動しているのか調べることでした。

 

二つ目はメダカの飼育系統でのHPA軸の有無について

これは飼育系統が人が与えるストレスにより鈍感なのではないかというところから始まりました。野生のメダカと長年飼育されてきた系統のメダカでは人が近く、水槽を揺らすなどのストレスに対する応答が異なることが観察していてわかりました。簡単にいうと野生の方がビビりやすい。そしてこの違いは遺伝子がそもそも変化してきているつまり小さな進化が起きている可能性があるのではないかということになりました。

HPA軸というのは脳下垂体から副腎、コルチゾールへと続くストレス応答のホルモン分泌経路です。この経路が飼育系統のメダカで壊れているかどうかの検証を行いました。

 

そして3つ目は進化生物学いう分野です。この分野は本当にここ数年で始まった分野ということができ、進化可能性を議論しよういう分野です。

進化といえばこれまで過去生物がどのような変化を遂げてきたかについての議論がなされてきましたが、これからどのような進化の道筋をたどるかという未来予想のようなものは全くされてないに等しかったのでそう言った議論ができるようになろういう分野です。

進化の可能性は無限大なので逆に進化を制限しているものはなんであろうというアプローチが取られ、制限や拘束といった角度から進化とはそもそもどういったものかという検証が始まっています。

将来は人工的に進化が起きやすくなる条件のもとで進化させた生物が作られるまたはコンピュータ上で予測される可能性もあり個人的に楽しみな分野です。